2017年06月06日

【入江旧居の二十四節気】芒種

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2017年6月5日は二十四節気の芒種です。
「暦便覧」という書物には「芒ある穀類、稼種する時也」とあります。
穂先のかたい毛のことを「芒(のぎ)」といい、その芒がある穀類の種を蒔く頃という意味の節気です。
具体的にいえば、米ということになるでしょうか。
実際にはもう種を蒔く時期は過ぎ、田植えの季節です。
そういえば入江先生の作品にも早苗が揺れる水田が印象的なものがあります。
「飛鳥八釣の里」というタイトルのその作品は、田んぼには大きな夕日が映り込んでいます。大和路の情景を撮った作品のほとんどがそうであるように、この作品にも人の姿はありません。
それなのに、なぜか人の気配を感じます。
ずっと人がいないわけではなく、さっきまで確かに誰かがいたような温かさが伝わってくるのです。
入江先生は、古代の人々に思いをはせながら、目の前に広がる風景がイメージ通りの美を得るまで、じっくりと時を待ったと聞きます。
きっと「飛鳥八釣の里」もそうだったことでしょう。
画面に漂う人の気配は、同時代の人でもあり、また万葉の時代の人のものでもあるのかもしれません。


   文 倉橋みどり 写真 石井均
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2017年05月21日

【入江旧居の二十四節気】小満

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入江旧居に差し込む陽射しが日ごとに強くなってきました。
2017年5月21日は二十四節気の小満です。
小満とは万物がよく育つころというような意味でしょうか。
「しょうまん」という響きはまろやかで、草木作物の成長へのやさしい眼差しを感じます。
さて、この時期、入江泰吉旧居の西側に面した廊下に、ゆらゆらと光と影が踊るように映り込むようになります。
窓の外に目をやれば、むせるほどの青楓がさわさわと揺れています。
ただのんびりと座っているだけで何時間でも過ごせるような感覚を覚えるのは、この旧居が「四季折々の光と風が見える」場所だからだと思います。
知るほどに、写真家にふさわしい住まいだと思うばかりです。


   文 倉橋みどり  写真 石井均
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2017年05月05日

【入江旧居の二十四節気】立夏

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今日から夏、です。
2017年5月5日は二十四節気の立夏。
入江泰吉旧居はピンクや白のサツキで彩られ、楓の青はみずみずしく、風に揺れる様子を見ているだけで心身もリフレッシュできそうです。
春は光ると言われる風が薫り始め、入江先生ご夫妻が40余年を暮らした水門町という地名に涼やかさを感じる頃。
そして、「山滴る(やましたたる)」という夏の季語がありますが、旧居の庭もしっとりとした緑に染まる夏。
今年も始まりました。
旧居の夏をひとりでも多くの方に体感していただけたら、と願っています。


   文 倉橋みどり 写真 石井均
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