2017年11月22日

【入江旧居の二十四節気】小雪

DSC_2073.jpg

P1020903.jpg


2017年11月22日は二十四節気の小雪(しょうせつ)。
小雪が舞い始めるころ、という通り、ここのところ急に朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。
「小雪」という言葉をみて思い出すのは、「風花」という季語です。
風に舞う雪のかけらのことを、こんなに美しく呼ぶなんてすてきだなあと思います。
美しい言葉ですから、私も毎年一句詠みたくなりますし、ほかの俳人たちもたくさんの俳句を作ってきました。
その中で異色とも言えるのが坪内捻典さんのこの句です。

風鬼元風紀係よ風花す

風鬼(ふうき)とは風の神様のことであり、仏教用語では、人の心を動揺させるものを風に例え、鬼に例えてこう呼ぶそうです。
今はもう風の神となった元風紀係というのですから、その人はもうこの世の存在ではないでしょうか。
風紀委員をしていた彼か彼女を思い出す作者は風花に包まれています。
もしかしたらその人は作者の初恋の相手なのかもしれませんね。
風花に包まれるとき、ふと時空がねじれるような気持ちになることがあるのは私だけでしょうか。
過去と今とが一瞬交錯する感覚。
ご生前は一度もお会いすることが叶わなかった入江先生や光枝夫人が門をくぐって入っていったような・・・
そんな幻に逢えるのも、風花舞う日の水門町の夕暮れ時です。



   文 倉橋みどり 写真 石井均


posted by アルカからのお知らせ at 16:16| Comment(0) | 入江旧居

2017年10月23日

【入江旧居の二十四節気】霜降

DSC_0173.jpg

DSC_0593.jpg


2017年10月23日からは二十四節気の霜降。
秋の最後の節気で、露が霜に変わり始める頃という意味です。
今年は、いつまでも暑さが残っていたかと思えば、10月に入るとすぐにすとんと急に寒くなりました。
秋らしい爽やかさを満喫するゆとりもなく、冬がすぐ隣まで迫ってきている感じ。なのに、台風も近づくというなんとも不可思議な天候です。
さて、入江泰吉旧居では、いま、庭のホトトギスが真っ盛りです。
紫色に斑点のついた小ぶりの花は、茶花としてもおなじみです。
今年は昨年よりも花数が少い…と心配していたのですが、10月中旬を過ぎる頃から、急に元気を取り戻し、たくさんの花を咲かせてくれています。
初夏に鳴く鳥である「ホトトギス」の名前がそのままついているのは、斑点のある花びらがホトトギスの胸あたりの模様とよく似ているからだとか。そして、花言葉は「永遠に愛する」。
どこか情熱的な花言葉は、お茶室に生けられたホトトギスからすると少し意外に思えるかもしれません。でも、今、旧居で一茎ごとにたわわに花を咲かせたホトトギスの姿には、なるほどなぁと頷きたくなる逞しさが感じられるのです。

   文 倉橋みどり 写真 石井均


posted by アルカからのお知らせ at 11:56| Comment(0) | 入江旧居

2017年10月09日

【入江旧居の二十四節気】寒露

DSC_0088.jpg

DSC_0632.jpg


2017年10月9日は二十四節気の寒露。
朝晩がぐんと冷え込むようになりました。
さて、入江旧居の庭の横を流れる吉城川をはさんだ向こう岸に、大きな大きな金木犀の木があり、2週間ほどでしょうか、旧居を甘い香りで満たしてくれました。
「わあ、金木犀の香りがよくしますね」
入館者の方とも何度となく会話が弾みました。
2015年春に一般公開が始まり、3回目の秋を迎えた入江旧居。
一昨年前も昨年も、見上げるほどの背丈の金木犀は花を咲かせたいたはずなのに、なぜでしょう。スタッフに聞いても、私自身もあまり印象に残っていません。
あと1か月も過ぎれば紅葉のシーズンが始まります。
今年の色づきはどうでしょうか・・・・・・。
紅葉もまた、昨年とも一昨年前ともまた違う表情を見せてくれるような気がしています。
それがとても楽しみでなりません。

   文 倉橋みどり 写真 石井均
posted by アルカからのお知らせ at 21:20| Comment(0) | 入江旧居