2017年10月09日

【入江旧居の二十四節気】寒露

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2017年10月9日は二十四節気の寒露。
朝晩がぐんと冷え込むようになりました。
さて、入江旧居の庭の横を流れる吉城川をはさんだ向こう岸に、大きな大きな金木犀の木があり、2週間ほどでしょうか、旧居を甘い香りで満たしてくれました。
「わあ、金木犀の香りがよくしますね」
入館者の方とも何度となく会話が弾みました。
2015年春に一般公開が始まり、3回目の秋を迎えた入江旧居。
一昨年前も昨年も、見上げるほどの背丈の金木犀は花を咲かせたいたはずなのに、なぜでしょう。スタッフに聞いても、私自身もあまり印象に残っていません。
あと1か月も過ぎれば紅葉のシーズンが始まります。
今年の色づきはどうでしょうか・・・・・・。
紅葉もまた、昨年とも一昨年前ともまた違う表情を見せてくれるような気がしています。
それがとても楽しみでなりません。

   文 倉橋みどり 写真 石井均
posted by アルカからのお知らせ at 21:20| Comment(0) | 入江旧居

2017年09月23日

【入江旧居の二十四節気】立秋

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2017年9月23日は二十四節気の秋分です。
春分の日と同じく昼と夜の長さがほぼ同じになる日で、お彼岸の中日でもあります。
入江泰吉先生と奥様の光枝さんのお墓は、奈良市東笹鉾町の浄國院にあります。
入江旧居からも歩いて5分ほどでしょうか。
こぶりの上品なお墓は、入江先生がご生前にデザインされたものだそうです。
鐘のすぐ下にあり、山門の前を通るときにも鐘楼ごしに入江先生のお墓が見えます。
実は、同じお寺の境内に、くっきりと「入江家」と彫られた、かなり大きなお墓があり、ときどき間違えてお参りされる人もあるとか・・・。一方、入江先生のお墓に刻んである「入江家」の文字は、凝った書体なのです。
いつだったか、ぜひお墓参りをしたいとおっしゃる方にお寺とだいたいの場所をお知らせしたところ、しばらくしてお電話がかかってきて
「探したけど見つからないのですが・・・」
「鐘のすぐ下の五輪塔のようなお墓ですよ」
「そういうお墓はあるのですが・・・〈穴なんとか家〉と書いてあって、入江家とは読めないのですが・・・・」
そんな会話をしたこともありました。
若き日に先生にお世話になったという方をお連れしたこともあります。
ひざまずいて頭をこすりつけるようにして、
「ありがとうございました」と男泣きに泣かれた方もありました。
春分の日、秋分の日は、この世とあの世の行き来がしやすくなるのだそうです。
秋の草花と煙草を持って、私もお参りにいきたいと思います。

先生が彼岸に旅立たれて25年目の秋です。


   文 倉橋みどり 写真 石井均
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2017年09月07日

【入江旧居の二十四節気】白露

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2017年9月7日は二十四節気の白露です。
朝の道で足元の草の露を見つけると、少しうれしくなります。
朝露は、まるで、透き通った小さな宝石のように見えます。
秋の風は「色なき風」といい、「水澄む」という季語もあります。
まだ暑さもしぶとく残っていますが、それでも、風も川も池も…すべてが一日ごとに透明感を増していくような気がします。
例えば、入江泰吉先生の写真にも、ああ、これは秋の風景だなと確信できるものがあります。
風景が夏の暑さの薄膜をきれいにはがしたように、透き通っているのです。空気感までもレンズでとらえることができた入江先生の作品には、どれも静かな迫力が感じられます。
撮影者の自己アピールはほとんど感じられず、今も同じ場所に行きさえすれば、いつでもその風景に会えるような気がするほど自然なのに。
それはきっと、構想を練り、じっと「その瞬間」を待ち続けた入江先生が「描き上げた風景」であることがほとんどだからでしょう。
7月の没後25年のフォーラムで、白洲信哉さんがおっしゃった「入江さんは、どこにでもある風景を、どこにもない作品にした写真家」という言葉に今改めて肯いています。

   文 倉橋みどり   写真 石井 均
posted by アルカからのお知らせ at 09:41| Comment(0) | 入江旧居