2017年12月07日

【入江旧居の二十四節気】大雪

DSC_3514.jpg

DSC_3089.jpg

2017年12月7日から二十四節気の大雪です。
小雪を「しょうせつ」と読むように、大雪は「おおゆき」ではなく、「たいせつ」と読みます。
奈良市内では初雪はまだのようですが、朝晩の冷え込みがぐっと厳しくなってきました。
入江家ではもともと茶室だった部屋に炬燵が置かれていたそうです。
入江泰吉先生と光枝夫人は炬燵でどんなおしゃべりをなさっていたでしょうか?
先日、入江先生の遺族の方が、入江夫妻のスナップ写真を旧居に持ってきてくださいました。
年を重ねてからも、ご夫婦で寄り添ってポーズをとっておられる一枚、
さりげなく、入江先生が光枝夫人を支えておられる一枚、
見つめ合って笑っておられる一枚……
おふたりが生涯お互いを大切に思っておられたことが確かに伝わってきて、胸が温かくなりました。
旧居に来られた方が、「この家は落ち着きますね」「いつまでもいたくなるようなおうちですね」などとおっしゃることがよくあります。
居心地の良さは、家そのものの造りや、窓から見える景色のせいももちろんあるでしょうが、何よりもご夫妻の幸せな日々の記憶がそこここに漂っているからなのかもしれません。


   文 倉橋みどり 写真 石井均

posted by アルカからのお知らせ at 21:04| Comment(0) | 七十二候

2017年11月08日

【入江旧居の二十四節気】立冬

DSC_1547.jpg

DSC_0397.jpg


2017年11月7日は二十四節気の立冬。
冬が始まりました。
入江泰吉旧居の道路に面した垣根は山茶花で、真っ白な花をいくつも咲かせてくれます。今年は少し早い、10月の終わりから一輪、また一輪…と咲き始めました。
旧居は、東大寺戒壇堂と吉城園・依水園というふたつの庭園をつなぐ道路に面していて、いろいろな方が通って行かれます。
先日も、観光客と思しき初老のご夫妻が山茶花に足を止めておられました。
「白い山茶花っていうのもいいものだねえ」
「そうですね。うちのはピンクですものねえ」
「あれもなかなかのものだと思っていたが、こうしてみると、白もよく思えてくるなあ…」
「それにしても、きれいですねえ」
聞くともなく聞こえてきた穏やかな言葉のやり取りに、まるで自分がほめられように心がじわりと温かくなりました。
旧居の一般公開が始まって三度目の冬。
いろいろな出会いがここで生まれ続けています。
先週の日曜日。一枝を切り、入江先生の写真の前に生けました。モノクロ―ムの笑顔に、山茶花の白がひときわ冴えて見えました。

   文 倉橋みどり 写真 石井均
posted by アルカからのお知らせ at 20:29| Comment(0) | 七十二候

2015年12月07日

【入江旧居の二十四節気】大雪

 今日は二十四節気の大雪。「たいせつ」と読みます。
 これから、一年でもっとも日が短くなる冬至に向け、ますます暮れるのが早くなっていきます。
 入江泰吉旧居の閉館時間は午後5時。今頃は、閉館間際のお客様が、玄関で靴を履く間にもどんどん外がうす暗くなっていきます。
 私達スタッフにしても、ちょっとした引き継ぎをしたり、帰り仕度を整えていると、あっという間に夕闇がせまってきて、気がせきます。
 日が長い季節なら、入江先生のお散歩コースでもあった東大寺戒壇院を回って帰ろうか、大仏池へ寄って行こうか……などという気にもなるのですが、今はついつい急ぎ足になってしまいます。
 そういえば、先月までは、旧居を出て、最初の角を曲がるとき、奈良公園で売っている焼き芋の窯をリヤカーに乗せて引っ張っていく人達とよく一緒になっていました。ところが、12月に入って風が冷たくなってからは、店じまいが早くなったのでしょうか、ちっとも出会わなくなりました。
 ほかほかと湯気を立てているのが目に入るだけで、なんだかあったかい気持ちになっていたので、少し寂しい気持ちです。
 大雪とはいっても、奈良ではまだまだ雪が降るほどの冷え込みではありませんが、それでも歩きながら吐く息が白く見えるようになりました。
 春に一般公開が始まって、夏、秋、そして旧居にめぐってきた初めての冬。
 まだもうしばらくは目を楽しませてくれそうな冬紅葉、そして、ひんやりとした畳の感触や障子越しのやわらかい日差しも、ここを訪れてくださる方々といっしょに愛(いつく)しみたいと思います。

    文・倉橋みどり 写真・石井均


DSC_0163.jpg


DSC_0620.jpg
posted by アルカからのお知らせ at 23:53| Comment(0) | 七十二候