2018年06月21日

【入江旧居の二十四節気】夏至

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2018年6月21日は夏至。
一年で昼間が一番長い日です。
この日に向かって、日ごとに日が延びていたのが、
夏至を境に、今度は日が短くなっていきます。

二十四節気のめぐりを意識するようになると、
わたしたちの暮らす地球が、
太陽のまわりをぐる〜りぐる〜りと回っていることのありがたさを
感じられるようになります。

わたしたちは生かされている、という思いがじわじわとこみ上げてきます。

夏至の3日目の17日の朝方、
大阪を震源にした大きな地震が起こり、奈良市内も強い揺れを感じました。
幸い、入江旧居に被害などはなかったものの、
お宅から目と花の先にある戒壇堂の多聞天像の宝塔が落下。
大きな損傷はなかったとのことですすが、当初は多聞天像そのものが落下したという情報も流れ、
心配しました。

当たり前のように日が上り、日が沈む。
当たり前のように夏が来て、秋、冬、春・・・と季節がめぐる。
当たり前のように、いま身近に存在してくれている、命あるもの、先人が創ってきたもの・・・・。
よく考えれば、当たり前のものなどひとつもないことに愕然とし、そして、感謝と畏敬の念が湧いてくるのです。

床の間には奥様が書かれた般若心経の軸を好んで掛けておられたという入江先生。
もし生きておられて、阪神淡路大震災、そして、このたびの地震を経験されたら、どんなことを思われ、
また、どんな作品を撮りたいと思われたでしょうか。

余震が断続的に続くなかで、
つい、そんな問いかけが浮かび、
答えを探すように、入江先生の写真集をめくっています。

   文 倉橋みどり 写真 石井均

posted by アルカからのお知らせ at 08:26| Comment(0) | 七十二候

2018年06月06日

【入江旧居の二十四節気】芒種

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2018年6月6日から、二十四節気の芒種となります。
禾あるもの、つまり穀物を植えるころという意味だそうです。

今日近畿は梅雨入りし、奈良は雨の一日となりました。
雨の日は出かけるのがおっくうになりますが、今日の私の予定は講座の下見。近鉄奈良駅から、水門町の入江旧居を抜け、東大寺大仏殿まで歩きました。靴が汚れないように歩く私たち人間とは対照的に、そこここで出会う鹿たちは、みんなとても元気で、時折体をぶるぶるっと震わせて雨粒を払いながら、傘をさす私たちに鹿せんべいをねだってきたり、整列して悠々と横断歩道を渡ったり……。
このころの雨は植物たちにとっては恵みの雨。一雨ごとに、目に見えて成長していきますが、動物たちにとっても、このころの雨というのは、英気を養ってくれるものなのでしょう。
雨の日の撮影がお好きだった入江泰吉先生には、「今ごろそんなことに気づいたの?」と失笑されそうですが、それほどに今日出会った鹿たちは揃って、美しい夏毛に着替え、生き生きとした瞳をしていたのでした。

   文 倉橋みどり 写真 石井均


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2017年12月07日

【入江旧居の二十四節気】大雪

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2017年12月7日から二十四節気の大雪です。
小雪を「しょうせつ」と読むように、大雪は「おおゆき」ではなく、「たいせつ」と読みます。
奈良市内では初雪はまだのようですが、朝晩の冷え込みがぐっと厳しくなってきました。
入江家ではもともと茶室だった部屋に炬燵が置かれていたそうです。
入江泰吉先生と光枝夫人は炬燵でどんなおしゃべりをなさっていたでしょうか?
先日、入江先生の遺族の方が、入江夫妻のスナップ写真を旧居に持ってきてくださいました。
年を重ねてからも、ご夫婦で寄り添ってポーズをとっておられる一枚、
さりげなく、入江先生が光枝夫人を支えておられる一枚、
見つめ合って笑っておられる一枚……
おふたりが生涯お互いを大切に思っておられたことが確かに伝わってきて、胸が温かくなりました。
旧居に来られた方が、「この家は落ち着きますね」「いつまでもいたくなるようなおうちですね」などとおっしゃることがよくあります。
居心地の良さは、家そのものの造りや、窓から見える景色のせいももちろんあるでしょうが、何よりもご夫妻の幸せな日々の記憶がそこここに漂っているからなのかもしれません。


   文 倉橋みどり 写真 石井均

posted by アルカからのお知らせ at 21:04| Comment(0) | 七十二候