2018年01月20日

【入江旧居の二十四節気】大寒

DSC_6582.jpg

DSC_6838.jpg


2018年1月20日から2月3日は二十四節気の大寒です。
冬の最後の節気で、七十二候は20日から款冬華(ふきのはな さく)、25日から水沢腹堅(さわみず こおりつめる)、30日からが鶏始乳(にわとり はじめて とやにつく) となります。
小寒、大寒の期間を寒の内とも寒中ともいいます。
寒といえば、連想するのは、剣道をしていたころの寒稽古のこと。
小学校から高校生まで続けた剣道では、年中はだしで、校庭を走ったりしていました。
粉雪が舞うなかで素振りをしたことも・・・。
入江泰吉先生も、自伝的エッセイ『大和しうるわし』などに、小学五年生のころ、剣道の朝稽古に通ったとあります。
「剣道には寒稽古や土用稽古がつきものだが、朝五時からの寒稽古に、奈良公園を通り抜けていくのは、考えただけで恐ろしかった」。
その理由は、当時の奈良ホテルに近いあたりは、実に寂しいところで、さらに「父が夕食のあと、私たち兄弟を前にしてよく化け物の話をしていたので、その話が浮かんでくる。しかもそうした怪談の舞台が、奈良ホテルの近くのお寺だったりする」からでした。
 髪を振り乱した老婆に化け、棺桶を背負ってあらわれる狐、一ツ目小僧に化けた狸は「怖いもんか。怖いもんか」と怒鳴ると、「これでもか。これでもか」と体を膨らませていき、最後には風船玉のようにパーンと破裂する・・・など。確かにこれは大人でも怖い・・・。
しぶる泰吉少年に、母上が「せっかくはじめた剣道なのだから、ぜひ行きなさい。そのかわり寒稽古の期間中は毎朝学校まで送ってあげるから」とおっしゃって、そのおかげで、15日間の寒稽古を皆勤できたそうです。
エピソード自体もほほえましいものですが、何より、すっかり大御所になってからの入江先生が、なつかしそうに狐狸の話、お母様の優しさを思い出し、こんなに生き生きと文章にされたたと思うと、心が温かくなってくるのです。

  文 倉橋みどり  写真 石井均
posted by アルカからのお知らせ at 00:12| Comment(0) | 入江旧居
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: