2016年08月22日

【入江旧居の二十四節気】処暑

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 2016年8月23日は二十四節気の処暑です。
 残る暑さも収まる頃という意味なのですが、今年はまだまだ暑さの勢いは衰えそうにありません。
 それでも、声に出して、「しょしょ」と何度かつぶやいてみれば、どこか涼やかな響きがあり、それだけで救われるような心持ちになります。
 そういえば、入江旧居の書斎には使い古した「広辞苑」があることをご存じでしょうか。
 表紙が取れてしまったのでしょう、赤いテープでしっかりと補修されています。
 入江先生が数冊遺されたノートには、仏像や建造物のスケッチとともに、美しい言葉がいくつも書き出してあるページがあると聞きました。
 入館者が途切れると、先生の書斎でぼんやり蔵書の背表紙を見て、ひとときを過ごすことがあります。
 「万葉集」や「大和古寺風物誌」などはもちろん、幅広いジャンルの夥しい数の蔵書をめくりながら、「広辞苑」をこまめに引きながら、そして、交友した人々との会話に刺激を受けながら、入江先生は言葉というものをとても大切に愛おしんでおられたのだと思います。
 書斎にしばらくひとりで座っていると、そのことがじんわりと、でも確かに伝わってきます。

 昼間の暑さはまだまだ厳しいけれど、少しずつ少しずつ日が短くなっていきます。

 
   文・倉橋みどり 写真・石井均
posted by アルカからのお知らせ at 23:15| Comment(0) | 入江旧居
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