2016年01月21日

【入江旧居の二十四節気】大寒

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 2016年1月21日。
 今日は二十四節気の大寒。小寒の始まりから、大寒の終わりまでが寒中となります。
 5日前のことですが、先日1月16日は1992年に86歳でお亡くなりになった入江先生のご命日でした。入江旧居が開館して初めて迎えるご命日ということで、「入江泰吉先生のこころを思う会」を、お弟子さん、孫弟子さんの会である水門会と、私が理事長をつとめるNPO法人文化創造アルカとで開催しました。
 会場は入江先生のお墓がある浄國院さんのご本堂で、関係者のみなさんが約40人集まってくださいました。
 ゲストには染司よしおかの五代目当主・吉岡幸雄先生を迎え、思い出話をしていただきました。
 東大寺の椿に使う和紙、薬師寺の伎楽衣装など、奈良の社寺のお仕事をたくさんしておられる吉岡先生とは、何度も取材をさせていただくうちにご縁が少しずつ深まっていったのですが、ひょんなことから、先代でお父様の吉岡常雄先生と入江先生のご縁を知り、旧居の一般公開に際して、何とも言えない美しい茶色に染めた麻の座布団を納めてもらうことにもなりました。
 今回も、「若いころ、父に連れられ、入江先生のお宅にうかがったことがあるにはあるが、とにかく緊張して、そのときのことは何も覚えていない・・・」とおっしゃったときには少しはにかむような表情に。そして、「吉兆の料理を撮った写真集『吉兆』は、ただ料理をおいしそうに撮るだけでなく、器にもアングルにも高度な美意識が感じられる。また、『古色大和路』では風景を美しく撮るだけでなく、歴史のしみこんだものとして、深く理解をした上で撮っている。そういうことを始めた最初のカメラマンが入江泰吉であり、同時代の土門拳であったと思う。2冊とも高価な写真集で買うことができなくて、図書館に行っては繰り返し眺めたものです」とも。
 吉岡先生の言葉のひとつひとつが、入江先生への敬意に満ちていることが、私にはうれしく、ありがたく思えたのでした。参加してくださった方も同じ思いだったようで、何人もの方から「とてもいい会になりましたね」とお声をかけてもらいました。
 寒中とは思えないほど、おだやかに晴れた一日。
 お弟子さんのひとりが、「毎年ご命日はだいたいすっきりしない天気になるんやけどな。今日は気持ちいい日和になったな」とぽつりとおっしゃっていました。
 雪や雨、霧、靄・・・すっきりしない天気が大和路にはよく似合うと、好んで撮影にでかけておられたという入江先生。せっかく集まってくれたのだから、今日は撮影にはでかけないで、みんなといっしょにのんびり過ごすか・・・と思ってくださったのでしょうか。
 お墓まいりを終え、希望者のみなさんで旧居へも寄りました。庭には、入江先生が大好きで、ご自身で植えたという椿の木が何本もありますが、紅、ピンク、白・・・とどれも花盛りで、思い思いに思い出話をする私達を、やさしく見守ってくれているような気がしました。そして、昨年、紅葉を追いかけるように咲き始めた椿は、大寒を迎えてもなおしばらく、旧居を訪れる人を楽しませてくれそうです。

    文・倉橋みどり 写真・石井均
posted by アルカからのお知らせ at 21:27| Comment(0) | 入江旧居

2016年01月17日

【水門町雪月花】入江旧居だより

これは、かつて東大寺観音院さんで使われていたちゃぶ台です。入江泰吉先生のほか、杉本健吉さん、河合卯之助さんほかのお名前も書かれています。
本日から水門町の入江泰吉旧居でご覧いただいています。

   倉橋みどり

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posted by アルカからのお知らせ at 22:07| Comment(1) | 入江旧居

2016年01月16日

「入江泰吉先生のこころを思う会」のご報告

本日1月16日は、写真家 入江泰吉先生のご命日です。平成4年に86歳でお亡くなりになってから24年。奥様が亡くなられて十三回忌となります。
今年度、入江旧居の一般公開が始まったのを機に、本日、入江泰吉先生のこころを思う会を菩提寺である浄国院さんで行いました。主催はお弟子さんの会の水門会と、私が理事長をつとめるNPO法人文化創造アルカ。
ゲストは、染司よしおかの五代目当主 吉岡幸雄先生で、お父様と入江先生の交友、若き日、入江先生の写真集『古色大和路』『吉兆』から受けた衝撃、入江作品の魅力は、歴史がしみ込んでいる大和路の風景をとらえ、のこしてくださったことーーなど、東大寺の修二会に奉納しておられる和紙、造花の椿といった貴重なものを拝見しながらたくさんのお話をしてくださいました。
今回は悩んだ挙句関係者のみの会としたのでしたが、来年からは多くの方に来ていただける会にしたい!と強く思っています。
数年前、ある方が、お父様を見送ったあと、人間は誰からも思い出してもらえなくなったときが本当の意味での死なんだよ、と教えてくれたことがずっと心に残っています。
そのときから、
私は大好きな人のことは、ずっと忘れないでいようと思うようになりました。
奈良を愛し、まほろばの風景を写真にとどめてくださった入江泰吉先生のことを、少しでも長く覚えていたいし、出来るだけ多くの人の心の中で生き続けてほしいと思います。
写真は、入江旧居の椿と空蟬です。

     倉橋みどり

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posted by アルカからのお知らせ at 21:16| Comment(0) | 文化創造アルカからのお知らせ