2018年06月06日

【入江旧居の二十四節気】芒種

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2018年6月6日から、二十四節気の芒種となります。
禾あるもの、つまり穀物を植えるころという意味だそうです。

今日近畿は梅雨入りし、奈良は雨の一日となりました。
雨の日は出かけるのがおっくうになりますが、今日の私の予定は講座の下見。近鉄奈良駅から、水門町の入江旧居を抜け、東大寺大仏殿まで歩きました。靴が汚れないように歩く私たち人間とは対照的に、そこここで出会う鹿たちは、みんなとても元気で、時折体をぶるぶるっと震わせて雨粒を払いながら、傘をさす私たちに鹿せんべいをねだってきたり、整列して悠々と横断歩道を渡ったり……。
このころの雨は植物たちにとっては恵みの雨。一雨ごとに、目に見えて成長していきますが、動物たちにとっても、このころの雨というのは、英気を養ってくれるものなのでしょう。
雨の日の撮影がお好きだった入江泰吉先生には、「今ごろそんなことに気づいたの?」と失笑されそうですが、それほどに今日出会った鹿たちは揃って、美しい夏毛に着替え、生き生きとした瞳をしていたのでした。

   文 倉橋みどり 写真 石井均


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2018年05月21日

【入江旧居の二十四節気】小満

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2018年5月21日からは、二十四節気の小満です。
「小満」とは、「やや満ちる」。「さまざまな植物の成長が、これから本格的に進むころ」とでも訳してよいかもしれません。
入江泰吉旧居も今、まさに緑のまっただ中です。
風が吹くたび、若楓のやさしい緑、椿の濃い緑などがないまぜになって、窓の外は一枚の絵画のように見えます。
紅葉の頃の美しさに勝るとも劣らない美しさです。
この時期は、入江ご夫妻が愛用していたソファに座り、じっくり図録などに見入る方も増えます。
「初めて来たような気がしないなあ」
「いつまででもここに座っていたいわね」
お客さまの、そんな会話が聞こえてくるたび、心の中で相槌を打ってしまいます。
「いつかこんな家に住んでみたい……」
私も同じ気持ちです。

早いもので入江旧居のコーディネーターを初めて3年が過ぎました。
それでも、お客様をご案内するたび、季節がめぐるたび、
繰り返し、この場所の魅力を感じます。
静謐で、包み込んでくれるような優しさと奥深さ。
それは、入江先生の作品に通底する魅力でもあるのだなあ、と改めて思います。

   文 倉橋みどり 写真 石井均


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2018年05月05日

【入江旧居の二十四節気】立夏

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2018年5月5日。今日は二十四節気の立夏。
夏の始まりです。
入江旧居に飾ってあるスナップ写真のなかに、お宅の門を出た入江先生と鹿のツーショットがあります。
この写真の入江先生は半袖。モノクロなので色はわかりませんが、大人の男性の半袖というのは、オンタイムとはまた違う魅力があります。
夏の初めの、まだ日焼けしていない腕とひじは、見てはいけないものを見てしまったようなときめきがある気がします。
俳句では「半袖」は夏の季語。
この夏は久しぶりに半袖の句を詠んでみようかな、と思ったりしています。


   文 倉橋みどり 写真 石井 均


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