2019年01月20日

【入江旧居の二十四節気】小寒

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2019年1月20日は二十四節気の大寒です。
冬の最後の節気で、一年でもっとも寒くなるころ。
入江泰吉旧居を訪れる方からも、
「このお宅は素敵だけど、冬は寒くて大変だったでしょうね」と言われることがあります。
確かに、旧居のうち元々あった古い家の部分は、ぐるりと掃き出し窓になっていて、隙間風が気になるのでは、と心配してくださるようです。
でも、窓が西側と南側に向いていて、お天気のよい日は日がたっぷりとあたり、それほど底冷えはしません。
その代わり、現在事務室に使っているスペースは、もともとダイニングキッチンだったのですが、この東側の道に面した、窓のない細長い板の間だけはとことん冷えます。
台所仕事をするにはちょうどよかったでしょうが、足元から冷えがじわりじわりとのぼってきてたまりません。入江ご夫妻も、冬場はきっと食事は居間でなさっていたのではないでしょうか。
この旧居の一般公開が始まって、早いもので、四度の春夏秋冬を過ごしてきました。
私は、毎日出勤しているわけではありませんが、それでも定期的にここで一日(といっても、10時から17時までですが)を過ごすことは、本を読んだだけでは到底わからなかったたくさんのことを教えてくれます。
ここで四季を感じ、雨の日、晴れの日を過ごせること。
そして、たくさんの方々に出会えること。
これまでもここでいろいろな人といろいろな話をしましたし、きっとこれからも……。
これこそが、入江先生からの贈り物のように思えて、改めて感謝の気持ちがこみ上げてくるのです。

   文・倉橋みどり 撮影・石井 均


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2019年01月06日

【入江旧居の二十四節気】小寒

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2019年1月6日は二十四節気の小寒。
小寒と大寒の期間をまとめて「寒」といい、文字通り、一年中でもっとも冷え込む時期の始まりです。
入江泰吉旧居では、入江先生が植えられたという椿のうち、ピンクの侘助が見頃を迎えています。
花は、ちょうど口をとがらせたような形で、まるで花同士がおしゃべりをしているよう。
あんなに鮮やかだった紅葉の木が、すっかり丸坊主になってしまったこの時期、
廊下からの眺めに彩りを添えてくれています。
ほかにも、白い大輪の椿、赤い藪椿、金漁葉椿などが次々に咲いていく、入江先生の庭。
木偏に「春」と書く椿を愛でているうちに、少しずつ、でも確実に、奈良は春へと向かって、進んでいくのです。

   文 倉橋みどり 写真 石井均


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2018年12月22日

【入江旧居の二十四節気】冬至

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2018年12月22日は冬至。
一年で昼の時間がもっとも短い日です。
私たちが生きていく上でなくてならない太陽の力が一年でもっとも弱まる日で、
この日には運に通じるからなのか、「ん」がつく名前のものを食べたり、
柚子湯に入って「ゆうずうが効く」ことを願いとよいといいます。
「ん」がつく食べものというと、「なんきん」。かぼちゃのことです。
わたしの故郷の山口では、かぼちゃと小豆の「いとこ煮」を食べたりしていました。
冬至というと、ある老舗の料亭の方の話を思い出します。
常連さんが冬至の時期に来られるというので、「ん」がつく食べものを盛り込んだ献立を出したところ、
大変喜んでくださったそうです。
縁起がいいと、翌年も、その翌年も・・・と予約を入れてくださるようになり、
うれしいけれど、だんだんネタ切れになりまして・・・、と溜め息をついておられました。
とっさによい案が思いつかず、「マンゴスチン」と答え、呆れた顔をされたような気がします。
入江泰吉先生は、冬至の日は何をめしあがったのでしょうか?
お酒が弱かったことと、ハイカラなもの(例えば、ドンクのフランスパンやデリカテッセンのレバーペースト)がお好きだったことは
聞いていますが、あまり縁起をかつがれたようなエピソードは聞いていません。
そういえば、「まつのはこんぶ」をいつも入江家からいただいた・・・という話を聞いたことがありました。
「こんぶ」も「ん」がつく食べ物。
件の料理長さんに久しぶりに連絡を入れてみましょうか。
奈良を代表する老舗です。
もしかしたら入江先生のお話も聞けるかもしれませんから。

   文 倉橋みどり 写真 石井均


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