2018年10月23日

【入江旧居の二十四節気】霜降

P1020376.jpg

P1020330.jpg

2018年10月23日からは二十四節気の霜降です。
朝晩は、ひんやりとした空気に満たされるようになりました。
入江旧居の庭には、小さな石仏があって、
それは、先生ご夫妻の愛犬のお墓だと聞きました。

さて、昨日、私も小さな亡骸を葬りました。
ときおり仕事場にもやってきていた野良猫が、
駐車場で冷たくなっていました。
目だった傷はなく、
最初は眠っているのかと思ったほど穏やかな顔でした。
飼っていたわけでないけれど、
どうしても見過ごすことができなくて、
仕事場の庭の片隅に葬ったのでした。
今日は朝から雨。
あっけないほどかんたんに、
こちらから、あちらの世界へといってしまったいのちを
そっと見守るような
静かな、静かな秋の雨。

入江旧居の石仏もまた、濡れています。

   文 倉橋みどり 写真 石井均
posted by アルカからのお知らせ at 23:11| Comment(0) | 入江旧居

2018年10月08日

【入江旧居の二十四節気】寒露

DSC_5884.jpg

DSC_5889.jpg

2018年10月8日は二十四節気の寒露。
寒露とは思えないほどの青空と汗ばむほどの陽気です。
昨日7日からは、興福寺中金堂の落慶法要が行われています。1717年の焼失以来、ようやく再建かなった中金堂が姿をあらわしました。
入江泰吉先生は、大好きだったという阿修羅像をはじめ、興福寺の寺宝や堂塔を多く作品に残しておられます。

滅びゆく美を追い求めた入江先生ですが、時代によって変わりゆくものに対しては寛容なところもあったような気がします。
旧居の来館者からうかがった話です。
ある場所にマンション建設の計画が持ち上がったとき、歴史的な景観を守りたいと、反対する方々が入江先生に協力を求めにきたそうです。
そのとき、先生は「変わってゆくものは仕方ない」と静かにおっしゃったとか。
もちろんこのエピソードだけで、先生の「思い」を想像することなどできないのですが……。

もしも入江先生がご存命で、出来上がった中金堂をごらんになったらなんとおっしゃったでしょうか。

輝く真新しい鴟尾を仰ぎながら、浮かんでくるのは、
やはり、入江先生の穏やかな笑い顔なのです。



   文 倉橋みどり 写真 石井均


posted by アルカからのお知らせ at 23:52| Comment(2) | 入江旧居

2018年09月23日

【入江旧居の二十四節気】秋分

DSC_0171.jpg

DSC_5480.jpg

2018年9月23日は秋分。
ようやく秋らしくなってきたかと思ったらもう、折り返しなのですね。
今夏は、入江泰吉旧居の軒にかけている風鈴が、ちりんとも鳴らない日もあった厳しさでした。
あの暑さも、もうすっかり衰えて、
朝晩はひんやりとする日もあり、
空は刷毛ではいたような雲を浮かべています。
色なき風が、ここを訪れる方々についてきてはまた去っていきます。

ちりん、ちりんちりん・・・・・・。

まだかかったままの風鈴の音に驚いて、
ようやく箱にしまいました。

   文 倉橋みどり 写真 石井均


posted by アルカからのお知らせ at 11:31| Comment(0) | 入江旧居